事故は現場で起きているんだ

システムエンジニアの奮闘記

カオスマップ。そして、アドテク用語

他部署との打ち合わせや雑談でときどき出てくるアドテク関連用語が気になって、アドテク関連本とウェブページを見てたけど、まだまだ用語は紛らわしい…
そのうえ、アドテク関連プレイヤーを役割別に1つのマップに載せた「カオスマップ」!!! これは、本当のカオスじゃ!!!
あれもこれも忘れがちなので、とりあえず書いておく。

アドテクの基礎知識

カオスマップや関連用語を扱う前に、アドテクの基礎を整理していこう。

アドテクとは?

アドテクノロジーの略称。
アド(広告)のテクノロジー(技術)、その中でもインターネット広告の配信や流通のための技術を指す。

アドテクの三本柱

  • 広告主(Marketer) : 広告を依頼する方
  • 媒体社(Publishers) : 広告を掲載する方
  • 消費者(Consumer) : ウェブユーザー

広告配信のプロセス

  • クリエイティブ(広告)入稿
  • 配信設定(予約)
  • 広告配信
  • レポーティング

カオスマップ

アドテクが登場してからそれほど長くない歴史の中、関連技術は日々進化している。
また、それぞれの技術を持ったプレイヤーがアドテクの戦場に参戦し続けている。
各プレイヤーが「我々が標準だ!」と叫んでるので、(アドテクの)世の中は混乱に陥っているのだ。
その混乱(?)を1つのマップに表したのが、下のカオスマップである。

www.slideshare.net
Hiroshi Kondoさん、画像をリンクさせていただきました。問題になりそうでしたら、ご連絡くださいませ。

出典:Jp chaosmap 2014-2015

カオスマップのカテゴリ

カオスマップのカテゴリ解説とサービス・企業一覧(リンク付き)|デジタルマーケティングラボ

今回読んだ本の1つである「アドテクノロジーの教科書」の著者、広瀬信輔さんが運営するDMLサイト。
ここに全部書き写すことも考えてみたけど、もっと優れたサイトがあるので、そのリンクだけを張る。
ただし、単行本とKindle版で内容が異なるのか、もしくは、単行本の初版第1刷と第3刷(←これが読んだ本)で内容が異なるのか、今回検索したら出てきたGoogle Booksには、164Pのプレビューでカオスマップのカテゴリ解説がChapter05の01としてあるのに、単行本ではそもそもChapter05の01が「市場規模」になっている…

DSPSSP、DMP

アドテクにはいろんなプレイヤーが登場しているが、その中でも重要な役割を担っているDSPSSP、そして、最近(?)話題になっているDMPについての概要説明。

DSP

Demand Site Platform。
インプレッションごとに買付判断を行い、
広告主にとって意味のあるインプレッションのみをバイイングする広告主利益に特化したプラットフォーム。

SSP

Supply Side Platform。
媒体社の広告収益を最大化させるためのプラットフォーム。
1インプレッションごとに、複数のアドネットワーク、DSPから入札される広告の中から最も収益性が高いものを予測し、配信する。
媒体社にとって増え続けるレムナントを自動的に、そして、より高く販売することが大きな課題となっており、そのニーズを満たすのがSSP

DMP

Data Management Platform。 顧客のデータ資産を活用し、収益化に結び付けるためのプラットフォーム。
自社で蓄積しているユーザデータの管理・集約に加えて、第三者のデータサプライヤーが提供するユーザデータを広告配信などに利用可能。

(これも重要)オーディエンスデータ

Audience Data。
Webサイトの訪問回数やユーザーIDを保存しておく仕組みであるCookie(クッキー) のデータを元に、購入履歴や属性データ、位置情報などを組み合わせ、個人そのものは特定しないが、広告メッセージを受け取る”人”を想定するデータ。
広告を配信するターゲットを精度高くセグメントし、CPCやCTRを良くするために活用される。

広告主と媒体社のニーズ

最後に、広告主と媒体社の(たぶん、今後もずっと続くと考えられる)ニーズについて。

広告主のニーズ

効果の良い広告枠や、ブランド認知に適した広告枠に対して競合他社よりも優先的に買付を行いたいというニーズが生まれてくる。

媒体社のニーズ

メディアのコンテンツ価格やブランド価格を毀損しない広告主、自社メディアのユーザにとって有益な製品をより優先的に配信したいというニーズが生まれる。

関連用語

広告のターゲティングや効果測定等でよく出てくる用語をまとめてみる。

  • CPA : Cost Per Acquisition。広告単価の指標で、顧客獲得(acquisition)一人あたりの支払額。または、何らかの成果(action)一件あたりの支払額。
  • CPC : Cost Per Click。ネット広告の掲載料金の単位の一つで、クリック1回あたりの料金。
  • CPV : Cost Per View。動画広告視聴1回あたりのコスト。
  • CPCV : Cost Per Completed View。動画広告を完全視聴1回あたりにかかるコスト。
  • CPM : Cost Per Mille。1,000回インプレッションあたりの広告コスト。Milleはラテン語で1,000を意味する「mille」からきている。
  • CTR : Click Through Ratio。クリックスルー率。インターネット広告の効果を計る指標の一つ。広告がクリックされた回数を、広告が表示された回数で割ったもの。
  • ROI : Return On Investment。利益ベースの投資対効果。
    ROI={(売上-売上原価)-投資コスト}÷投資コスト✕100
  • ROAS : Return On Advertising Spend。広告費用の回収率。
    ROAS=広告経由の売上÷広告費×100
  • RTB : Real-Time Bidding。1インプレッションに対してリアルタイムで入札を行う仕組み。0.1秒間で処理される。
  • FloorCPM : (CPMはCost Per Mille。)最低落札金額。この金額を下回った入札金額の広告はSSPのオークションに参加できない。